雑貨屋さんの接客と作業事情
雑貨店と言えば、セルフチョイス(サービス)で「押しつけがましくない、あっさりとした接客」という印象が定着し、それが入店、滞留しやすさに繋がっている。また、空いている営業時間帯の店頭作業も多く、雑貨店ではよく見る風景だ。
いずれも、まず店側の都合や事情(人手不足、作業量過多など)があってのことだが、(良し悪しは別にして)結果的にお客様に一定の理解をしてもらっていると考えてよい。
雑貨屋さん。お客様への接客は
そんな既存(他所)の雑貨店の接客や店内作業の様子を見て、伝言ゲームのように「作業はどんどんやっていい」→「お客は無視していい」と極端な解釈のまま真似てしまう雑貨売場も残念ながらある。
入店時のお声がけだけで、後はまったくお客様に関心がない雑貨店。お客様の導線を遮って平然と品だしするスタッフも少なくない。
当たり前だが雑貨売場も、「お客様最優先」。お客様の動きや表情を常に意識し、お問い合わせがあったら(ありそうなら)、 すぐに答えられる態勢や「お客様の邪魔をしない」作業が最低限のルール。
そして来店と退店時の心のこもった挨拶、お問い合わせや会計時の丁寧な対応が、雑貨売場の接客の良し悪しを決める重要なポイントだ。接客用語は後述
雑貨屋さん。コロナ禍における接客
(web用追記) 新しい生活様式(ソーシャルディスタンス/マスク着用など)を踏まえた接客であっても、声掛けやお客様を優先する基本の心構えは変わらない。
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雑貨店スタッフの作業時の立ち居振る舞い
雑貨売場は、値札付けや品だし、POPづくりなどの作業も頻繁だ。手早い商品補充が売上に直結(棚に欠品すると売れない)することもあり、無我夢中で急いで作業をしているスタッフもよく見かける。
スピード以上に忘れてはならないのがその「見た目」。商品や備品の扱い方など、お客様からの視線は思った以上に厳しい。見られていることを意識した、てきぱきとした美しい動作を心がけるべきだ。
また、VP(ビジュアルプレゼンテーション商品演出陳列)の入替作業やラッピングの過程を一種のパフォーマンス(実演)ととらえ、興味深く見入るお客様も多い。
どうぞご自由に、ご存分に
雑貨店に気軽に多くの人が立ち寄るのは、それが一種のエンターテイメントだから。TVや雑誌を見るかのように、お客様は雑貨店で、「新しい」「面白い」「かわいい」…「欲しい!」と楽しみながら商品を見ている。
お客様は誰にも邪魔されずに、 じっくりと商品を見たいのだ。
必要最小限のあっさりとした接客と感じても、お客様の心の赴くまま、存分に商品を見ていただけるよう最善を尽くすことが、雑貨売場ではなによりのサービスとなる。
このコラムは今回(全8回)で終了です。万引防止、PB、教育などの雑貨店特有の手法でお伝えしたいことが、まだたくさんありますが、またの機会にお話しできることを楽しみにしています。皆様の雑貨売場のご成功をお祈りしています。
富本雅人 (雑貨コンサルタント/グループオンザリビング)
繊研新聞2010年6月1日掲載分に加筆修正
雑貨屋さん 接客のコツ
これらが理解、実行できればどんな雑貨屋さんでも販売スタッフとして合格点だろう
- 売場は全てお客様優先
- 常に笑顔
- お客様入退店時のお声がけ「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」
- お客様に自由に店内(商品)を見てもらいやすい環境づくり
- お問い合わせ、お会計時には心をこもった丁寧な対応
- 商品、現金は大切に扱う
雑貨屋さんでも 接客7大用語
参考:これさえ覚えれば大丈夫「売場の接客用語」
接客7大用語とは小売店でお客様に使う基本の言葉。売場で必要であり頻繁に使うであろう用語をまとめたもの。
雑貨店だけでなくどんな小売店でも利用可能な基本の接客用語を以下に挙げる。
ショップの 規模やコンセプトに合わせて、アレンジしながら活用してほしい。例えば「いらっしゃいませ」でなく「こんにちは」を最初のお声がけにしてもよいし、 言葉遣い全体をもっとカジュアルにしてもよい。
あなたのショップに合っていてお客様に「好印象」を与えるアレンジを心がけよう。意味するところが 同じなら、まったく問題はない。
雑貨屋さん接客用語
- いらっしゃいませ 歓迎する心構えで。入店時や会計時に。
- はい、わかりました 「はい」または「わかりました」「かしこまりました」「承知しました」でも可。
- 少々お待ちください または「少しお待ちください」は時間の長短に関係なく、お待たせする場 合に。
- お待たせいたしました 「少々お待ちくださいJ と、お待たせした場合はこの言葉で接客を再開する。 時間がかかった場合は「大変お待たせいたしました」
- ありがとうございます 代金受領(精算) 後は「ありがとうございました」
- 申しわけございません お客様に迷惑をかけた場合に。または、お客様からの申し出を断る場合に。
- おそれいります( すみません) 「申しわけございませんJ より軽いお詫びの言葉として使用する。「すみません」でも可。または、お客様に何かお願いをする場合に使う。例えば、「おそれいります(すみません) が、こちらの列にお並びいただけませんでしょうか」のように。はじめる雑貨屋さんより
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