福袋のつくりかた 雑貨屋さんはどうしてる?どうすべき?

雑貨屋さんの福袋・ラッキーバッグ雑貨の教科書®️WEB

福袋。雑貨屋さんの知恵と工夫
雑貨店オーナー、店長など福袋を企画販売する方のための内容です。
密を避ける、無用な行列、店内混雑をなくすなどコロナ感染防止を踏まえた販売方式(ネット、店頭)が大前提。(2021年11月20日投稿原稿)

雑貨屋さんでも福袋・ラッキーバッグ

年始のお楽しみのひとつ福袋。いろんな小売店で好調なイベントとして定着。年始初売りのみならず、クリスマスを含む年末年始のイベント「ラッキーバッグ/ボックス」(以降福袋)としても仕掛ける店舗も多い。

初売りの福袋と言えば百貨店が代表的だが、ご承知のようにAppleStore、家電量販店、高級スーパー、ファッションセレクトショップ、など福袋販売を実施している専門店、各種小売店は多数存在する。雑貨店でも多くの店舗が実施中であり、このページを読んでいる方のお店で実施しているところもあるだろう。

福缶|無印良品
職人さんが手づくりで作った縁起物一点が入った、お正月を迎える毎年好評のセット。2,024円分使えるMUJI GIFT CARD一枚が入っているので新年のお買い物にもどうぞ。
|AKOMEYA TOKYO
AKOMEYA TOKYO公式オンラインショップのページです。

福袋の企画製作販売にあたって気をつけたいポイント

  1. 幸せ感。すなわちお買い得感
    大前提として「お得」でないと許されないのが福袋。
  2. 特別感。正月、年末年始を感じさせる華やかさ仕様
    初売りに販売するもののため新春をイメージさせる工夫。ホリデーシーズン発売のものは華やかな仕様で。入れる袋や箱の仕様に工夫を凝らして新年らしさを演出。
  3. 感謝の気持ち。謝恩イベント
    「年末年始をお客様と一緒に祝いたい」「日々の来店やお買い上げに対する感謝の気持ち」という姿勢が肝心。
  4. 福袋に向かない商品
    明確な断りがない難あり商品。マニアック、専門的な物、食品で賞味期限が短かいものはNG。入れる商品は在庫処分品であってもいいが、品質やデザインで最新の商品と遜色ないものを。

下記で詳しく考えていきたい。

雑貨屋さんの福袋「がっかりさせない」

1.値頃感 すなわちお買い得感

大前提として「お得」でないと許されないのが福袋。福袋の由来は反物の端切れを詰めて呉服店で販売したのがはじまりだそう。

最低でも30%以上の割引相当でないと納得してもらえないだろう。例えば、3000円の福袋には少なくとも4300円(販売価格換算)程度以上の商品入りなど。

雑貨店の福袋のお値打ち感は平均50%くらいの割引イメージ(筆者実感)

2.特別感 正月、年末年始を感じさせる華やかさ仕様

初売りに販売するもののため、新春をイメージさせる工夫。年末のホリデーシーズンに発売のものはクリスマスを連想させるような華やかな仕様で。入れる袋や箱の仕様に工夫を凝らして新年らしさを演出したい。

大手店、チェーン店のように福袋用のオリジナルのトートバッグやボックス(オリジナル商品)を製作することは、小規模な単店の雑貨店の場合は現実的ではない(ロットが多く製作できない。コストも大変)。知恵と工夫とセンスを発揮して既存の包材類をアレンジして使用すべきだ。店舗業務用のラッピング用品でもズバリ福袋用のものや、アレンジ次第で充分使えるモノが存在する。

工夫例:初春、新春、ハッピーニューイヤー等のメッセージカードの添付。お正月や新春、季節感を感じさせるモチーフのイラストデザインカードやオーナメントをつける。リボンをアクセントにする等。金銀のメタリックカラー、紅白の配色など。様々な福袋、ラッキーバッグ用のパーツ

福袋の数量

数量は少なめ設定が希少性を高める。単店の小規模店舗であれば、例えば10個、20個程度の限定でもおかしくはない。

万が一売れ残ってまったら袋からバラして販売することも想定しておく。

アマゾンの福袋

3.感謝の気持ち。謝恩のイベント

「年末年始をお客様と一緒に祝いたい」「日々の来店やお買い上げに対する感謝の気持ち」という姿勢が肝心。

在庫処分や、リベンジ消費で財布のひもが緩んだお客様に買ってもらい、したたかに儲けたいという気持ちもわかるが、それらをお客様に気づかれないようにするのがプロのテクニック(笑)。

「謝恩」「感謝」「お客様に喜んでもらいたい」「新年もぜひご贔屓に」という、言葉を念頭に企画実施販売したい。

4.向かないもの

入れる商品は在庫処分品であってもいいが、品質やデザインで最新の商品と遜色ないものを入れたい。トレンドとしてデザインが古くないもの。いかにも売れ残り然としているものはNG。難あり商品は事前に明確に説明してない場合は厳禁。

同様に断りがないマニアックなもの、専門的な物、食品類などで賞味期限が短かすぎるものも福袋イベントとしては残念なイメージ。いくらお得でもお客様は嬉しくない。

事前に断りがあっても難ありの商品ばかりでは華やかな新年のイベントとしては似つかわしくない。

通常の商品以上に、SNSなどで福袋の戦利品として、「いいものが買えた」「気が利いている」「オシャレ!」などの感想をズバリ発信する人も多く、良い感想を得られるようにしたい。

福袋中身を見せない? 見せる?

福袋の中身を見せない場合は

元来、中身が見えないのが福袋の醍醐味(おもしろさ)。新年を占う縁起物であり、何が入ってるんだろうと射倖心(ラッキーを望む気持ち)をくすぐるのが元々の人気の理由だ。伝統に乗っ取って中身が見えない、まったくわからないのも一つの方法。

「ガチャガチャ」感覚、くじ引き感覚での販売はイベントとして楽しいだろう。「あたり」商品や自店の商品券などをいれるのもあり。

福袋の中身を見せる場合は

見本品を提示したり、中身が見える透明な仕様の袋にする。ただこの場合は事前にじっくりと吟味されてしまうので、それなりのレベルの商品で揃えたり、割引率(お得度)の高い商品を入れざるを得ないだろう。

おすすめはチラ見せ

「見せない」「見せる」の中間をとって、一部を見せ、残りはお楽しみとするパターン。例えば商品10点中6点を見せ(紹介し)、残りはお楽しみとする。例えば「ナチュラルテイストのキッチン雑貨の福袋」と言葉、文章で説明して想像してもらうなど。

自店の商品テーマやお客様層によるが様々な「チラ見せ」でわくわく感と納得感の両方を感じてもらうのはどうだろうか。

福袋商品調達の知恵。入れる商品がない!

「うちは福袋にする在庫がない」という在庫管理、販売予測が徹底、的中している店舗。「ハンドメイド作品の委託販売」中心の為在庫商品がない店。「割引して利益を減らしたくない」という店舗もあるだろう。

そんな店でも福袋イベントを実施したい場合は、(処分したい)在庫を持っているだろう外部に問い合わせることもワザ。

取引あるメーカー、問屋に相談

自店の商品で福袋にあった商品がない場合は、普段から取引のあるメーカー、問屋に「福袋を計画している。何か商品はないか?」と聞いてみる。

先方は、福袋に入れられる商品=処分品が多い=売れないメーカー、問屋という風に思われたくないのが本音。それも踏まえて「ないと思うけれど、もしあったら分けてもらえれば」というトーンで聞くのが適切。

ある程度経験を積んだ営業マンであれば「割引できる処分価格の商品、福袋にあうもの、その店舗にあうもの」が自社商品でないかと検討してくれる可能性がある。

ポイントは普段から取引のあるメーカー、問屋に聞くこと。自店の様子を知ってくれている、お互いに信頼関係があることが大前提だろう。初対面の飛び込みの店が「福袋の商品をほしがる」のでは嫌われそう。

またいくらお得でも自店テーマ、センスにまったく合ってないのでは困る。

掘り出し物があるかも

実は、発売する多くの商品が売れて、高い評価のメーカー。売れ筋をしっかり押さえた問屋であっても見込み違いの処分したい在庫商品があることも。とても良い商品ではあるけれど、タイミングを間違えた。発注を多めにしてしまった。キャンセルがあったなど様々な理由で、安くてもいいのでさっさと処分したい在庫を持っていることもあるのだ。

福袋にできそうな商品があると回答があった場合。取引内容、その取引先の事情にもよるが、販売価格(上代)の1割から4、5割くらいの卸値で提案されるだろう。

普段、3個、6個、12個などの少ロット(数量)で仕入れている商品であっても、先様の在庫一掃処分の為の福袋商品の場合は、ある程度まとまった数(多分桁が上がる)の買取を望まれる(その分激安?)ので、その心づもりで。

委託販売で付き合いのあるハンドメイド作家や職人、工房の作品商品にもそういうものがあるかもしれないので、聞いてみたい。普段は委託契約であっても、その福袋商品に関しては「買取」の取引で買い切る事を前提とした、処分価格での卸売をお願いすべきだ。

福袋はメッセージ

サービス、趣向を凝らした福袋、ラッキーバッグは新年を迎えるリピーター、常連のお客様への店からの謝恩の気持ち、今後の益々のお付き合いのお願いのメッセージだ。

そして初来店で試しに買ってくださった方へ自店を印象付けることができる、素晴らしいイベントである。

富本雅人 講師・雑貨コンサルタント

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