小売店に好かれる商品の企画と販売促進 -Withコロナ時代の商品提案のヒント- 雑貨力セミナーログ

Withコロナ時代の商品提案のヒント-お知らせ

小売店に好かれる商品企業。コロナ時代の商品提案、仕様品開発とは

アフター(終息)ではなくウィズ(共生) コロナと付き合わざるを得ないこれから

雑貨、ギフト業界/消費材業界/流通業界も大きな変革

2020年5月11日実施のセミナーのテキストログです。内容をはじめ配布資料、スライド画像の一部は省略しています。
ギフトショー公式セミナー 主催(株)ビジネスガイド社

with コロナ時代の 商品開発のヒント

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このたびの新型コロナウイルス感染症に罹患された皆様、及び関係者の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。医療従事者様をはじめ最前線でご尽力されている皆様に心から感謝申し上げます。

さて、本セミナーのタイトルは「小売店に好かれる商品の企画と販売促進- withコロナ時代の商品開発のヒント-」 です。

想定している受講者様層は、メーカー、商社、卸などの商品企業の方々をイメージしております。

タイトルの「小売店に好かれる商品」というのは、もちろん売れるもの、売りやすいものということです。お客様に好まれるもの/利益が見込めるもの。売りやすいものとは店舗が扱いやすい商品や店舗の助け(手間の軽減)になる提案などがある商品のことを指しています。

せっかく素晴らしい発想企画、技術を活かした魅力的な商品を製造卸をされていても、店舗売場の現状や商品提案の方法をご存知ないがために、なかなか小売店等のバイヤーの目に留まらない商品も少なくないのが、このギフト雑貨業界です。

ご承知のように現在、新型コロナウィルス感染症の拡大によって、大変な状況となっています。一(いち)生活者としてでだけでなく、ご商売、ビジネスにおいても大変な状況です。

飲食店の苦境が広く伝えられていますが、物販業においても同様です。本日5月11日現在、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア以外で不要不急、贅沢な買い物であるとされている百貨店、ファッション店、そしていわゆる雑貨屋さんなどが自粛休業、時短営業しており、関係者の皆様にとっては苦難の時期であると言えます。

収束の時期がはっきりと見えない今、様々な業界が対応を迫られています。

今セミナーが、自粛期間が終わった後に配慮したい小売業界の事情の理解、メーカーの皆様の商品提案のヒントとなれば幸いです。

withコロナ時代の商品開発講師

新しい生活様式対応の商品提案とは

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皆さんご存知の先日発表された「新しい生活様式」によると、コロナ前(感染者)とは大きく生活習慣を変えることが望まれています

政府の専門家からは「長丁場」との表現もあり、少なくとも数年間はこの「新しい生活様式」を意識せざるを得ないと推測されます。

これから、メーカーなどの商品企業が商品を企画開発される際に、また小売店などへ営業活動を行われる際にご配慮いただきたいことをお話したいと思います。

1.非接触がカギ。コロナ時代の商品提案

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・収束したとしても大きく変わる意識「残るトラウマ」

今回のコロナ感染症はあまりにも恐ろしく大きな出来事であり、より強く記憶に残ると考えられます。収束後も数年間以上は国民のいわゆるトラウマとして生活に陰を落とし続けると思います。

・生活習慣の変化

-衛生面 生活防衛意識 消毒

マスクや手洗いうがい、などの衛生観念が多くの人に根付くでしょう。自分に対しても他者に対しても衛生観念が厳しくなることは避けられないでしょう。

-ライフスタイルの変化

テレワークの有無。通勤頻度や時間の縮小。時間ができたことによる食生活の変化、子育て教育、趣味のあり方に注目したいと思います。

-コミュニケーション方法

SNSはもちろん、オンライン帰省で大きくクローズアップされたビデオ電話などが一層定着していくと思います。よって関連の商材やサービスの需要が伸びるはずです。

2.小売店の現在と今後

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雑貨・ギフト店は、自粛要請対象「外」ですが、自発的に休業、時短営業する店が多数。自粛要請が解けた後も、徐々に営業という店が多数でしょう。現在、各店とも様々な対応を計画検討されています。

コンサルタントである私が小売店の皆様に提案していることは 「可能な限りの対策を努力する」ということ。推奨されている、

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例えば、

・店頭の消毒 「清掃、消毒、レジ周り、入口での手指消毒など」
・マスク必須(客とスタッフ) 「双方の装着。店舗側はシールドや手袋装着も」
・展示品のカバー「袋入れ、展示品の撤去、POPの充実など」 ・入場制限(予約制も)「客密度、換気のための店頭解放、店外販売など」
など良いと思われること、言われていることは積極的に実施するべきとお話ししています。

リアル店舗はネット(SNS、リモート)販売に注力

・インスタライブ、zoom販売など

ネットと連動してお客様の関心を引き続けることなどを提案しています。

余談ですが、中小の雑貨店の場合は、店頭の売上がいいお店ほど、ネット販売に力を入れられない傾向、手が回らない傾向があり、これまでチャンスを逃していましたが、この自粛期間をきっかけにネット販売に本腰を入れる店舗が増えてきていると思います。

3.店舗に好かれる商品とは。売れ筋

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現在営業中の店舗でここ数ヶ月で人気があった商品ですが、まずはもちろん「衛生用品商品分野」。

マスク関連=本体に加え、マスクケースやアレンジしたもの。特筆すべきは「手作り」マスクの人気。いわゆるサージカルマスクが手に入らないということに加えて、洗濯をして繰り返して使え、個性やファッション性を楽しめるということで、大変な売上を作っています。

そして石鹸手洗い関連=ソープ、ハンカチ、ポーチ類。手洗いの頻度が高くなり、需要が伸びています。てぬぐいやミニタオルなどが記録的な売上となった店もあります。

いわゆるドラッグストアなどで販売されている大手メーカーのソープ類ではなくそれらが品薄になっていることからか、雑貨屋さんの輸入品やデザイン仕様が一癖あるもの。例えばキャラクターがデザインされているようなものまで、少し割高にも関わらずお客様が求められています。

「在宅商品」

学校の自粛休校で、在宅の子供のための遊び関連、教育用品など。子供だけでなく大人も外出自粛により、趣味や料理に時間をかけてこだわる傾向となるでしょう。

「外出自粛、ステイホーム関連」

テレワーク関連分野(テレワーク用インテリア、道具、備品こだわり)、ホームオフィス関連商品など。テレワークがどこまで定着するかわかりませんが、注視すべき分野です。

不審な商品分野

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売上が厳しい商品ということです。
「通勤通学用品、学童文具類、オフィス用品」
「ファッション関連、ヘアメイク用品」
「旅行用品、ブライダル関連、パーティ用品他」

まずは外出のために必要なもの。集いで使うものなどが不振です。自粛で集いがないわけですから。自粛期間が終わることによって変わってくる、売上を取り戻してくるとは思いますが、少なくとも1ヶ月間は不調と考えます。

興味深いことにプチギフト、フォーマルギフトは堅調でした。これは集いのイベントはないけれど、その代わりにいつも以上に気持ちをギフトで伝えることを重視している、ということがあるのではないかと思います。

好かれる仕様

「店頭での陳列品に不信感」

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不信感というと厳しい感じですが、不特定多数の来店があり、たくさんの人に触られている可能性がある陳列商品は大丈夫なのか。というのが素朴なお客様側の疑問です。

プロである店でさえ対策方法を模索している現在、素人であるお客様が疑問に感じることは当然でしょう。

そんな店舗と消費者から望まれる商品のあり方。これはまずは頻繁な消毒に耐えること。あまり触らなくても仕様がわかりやすいことなど。

「消毒や清掃がしやすい」
→消毒しやすい単品袋入れや個箱入れが望ましい。

「パッケージに説明がある」
→あまり触れなくても商品の仕様がわかる。

「個別箱は陳列にも有用/ギフトラッピングとしても有用」
→箱や袋、ケースに入っている商品は消毒しやすいとともに店頭での品出し、清掃などがしやすく店舗が管理しやすい。また、ギフト包装的な仕様にすることでアピールしやすく、販売包装時の手間が減らせることになります。

→消毒洗浄などに耐える素材 「PP袋は耐アルコール」
例えばPP袋はアルコール消毒に耐えますし、自宅に持ち帰ったお客様が自身で消毒することも考えられるでしょう。

衛生的な環境で製造、流通していることの証

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商品単体での魅力に加え、製造工程やその環境までこだわるのが、現在のお客様。

口に入れる食品類。肌に直に使用する化粧品など、どんな環境で、誰がどう作っているのかなどを知って安心して購入することが当たり前となりつつあります。さらにこのコロナ禍で、食品、化粧品以外の多くの分野でも、一層の安全さの証(あかし)が必要となってくるでしょう。

→製造環境の様子がわかる場面、工場の画像など
「縫製中の写真」「仕分けの場面の写真」など
一種の証拠ということですね。これはビジュアルで直感的に訴えることができます。商品パッケージや添付POPなどに掲載することが難しい場合でも、せめて商品解説のホームページ等に情報を掲載することを勧めたいと思います。本末転倒ですが、もしそのまま見せられないという場合は、モラル面から考えても、この際、抜本的な変更が必要でしょう。

→「消毒済み」の印など
「ホテルのスリッパやトイレの消毒ずみの印」
皆さんご覧になっことがあるはずのホテルの清掃、消毒の証。これも一目瞭然の安心感があります。どう商品のパッケージに反映するかはお任せしますが、ヒントとしてお示しします。

食品、家電、文具、玩具……。ご存知のように雑貨屋さん、ギフト店は、バラエティ豊かな様々な分野の商品を扱っています。展示陳列するだけでなく、触って試して、味や香り、使い心地などを実感して買っていただくのが商売です。

非接触での販売は、そんなお店にとっては手足をもがれたかのようなことでもあるわけです。店舗としてはここは知恵と工夫で頑張らざるを得ない状態です。どうぞ皆さんのお知恵でサポートして差し上げてください。

試食の提供の仕方、管理方法

 

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先ほども申し上げましたが、お菓子などの食品も扱う雑貨店の場合、店頭での少量試食で売上につなげることが今までのセオリー。

小皿やケースに入れておき「ご自由にご試食下さい」とPOPを添えるというのが多くの方法でした。しかし、この方法は現在NG。自由に触って試していただくことは難しいのです。

かといって試食をせずに購入することがむずかしいのは事実。特に目新しい商品であればなおのことです。

対応方法としては、商品周りに「試食をご希望の方はお声をかけてください」などのPOPを添え、店舗スタッフが個別に試食を提供することが、今は現実的かと思います。

小袋などに入れた無料の試食パックや、取り分け用の使い捨てのつまようじ、簡単なトングや箸などの提供がお店の役に立つ提案となると思います。

テスターの設置方法/化粧品のサンプルは禁止

ハンドクリーム、アロマスプレーなど化粧品、香り関連の商品も多くの雑貨店、ギフト店で扱われています。こちらも食品同様にスタッフ管理のもと、お客様にお試しいただくことが良いと思います。食品同様ですね。スパチュラや小分け容器入れなども有望。

他にも筆記具やファッション商品など

お試しが必要な商品。例えば筆記具の書き心地。バッグの持ちやすさ、アクセサリー、マフラーなどのファッション雑貨の似合う、似合わないかなどのお試しフィッティングについてはその都度の消毒や、袋いれ、肌に直接触れるところへのカバー装着などが、できる方法でしょう。

4.販促ツールで売場協力

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販促ツールとは商品企業が店舗に支給するチラシやPOPなどのこと。接客と陳列の助けになるもの。皆さんの商品を店頭でもっと売りやすくするもののことです。

多くの商品企業が何にかしらの販促ツールの提供を店舗にしており、その有無が売る気のあるメーカーか否かのバロメーターとでも言えそうです。そして、現在のコロナ禍においてさらに求められています。

・会話での接客が最小限ですむもの

「新しい生活様式」では、接客の際の会話をできるだけ少なくすることが推奨されています。お客様自身が店頭の各ツール類である程度の情報を得ることができていれば、結果的に自然に会話を少なくすることができます。
例として

・ツール類:POPやパッケージ、タグに商品説明が掲載

パッケージ自体にダイレクトに商品解説を掲載することはどうでしょう。スペック(基本情報)はもちろんですが。せっかくパッケージを製作するのでしたら、商品のPOPにもなるような一石二鳥の仕様も検討ください。

・デジタルサイネージ 商品解説の動画など

店頭にモニターを設置し動画でアピール。

・QRコードで仔細な商品説明ベージに即アクセス

世界的にも有用とされている日本発のシステム「QRコード」。お使いになったことがあり便利さを実感されていると思います。ネット上で簡単にコード作成も可能。

スマートフォンをお持ちのお客様が過半数の現在。店頭の商品別POPにQRコードを印字、お客様にその場でネットにアクセスしてもらい、商品解説HPをスマホ画面で見てもらいながら、POP代わりに活用することはどうでしょうか(6月10日追記:レストランなどでメニュー代わりに採用するところも)。

店舗でPOP、ホームページ、WEBショップに記載するための情報を提供

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商品情報自体や画像データなどの店舗への提供はいかがでしょうか? カタログや前述のツールの提供も当然ですが、今やどんな店舗でもHPやネットショップを自前で運営しています。

一部のこだわりの店舗は独自の文章や解説作文、商品撮影を行いますが、ほとんどの店舗ではなかなか行えないのが実情です。

メーカーである皆様は、当然それらの商品関連の文章データ資料を作成していらっしゃると思います。それらを店舗に無償提供することも店舗の大きな助けとなるのです。

すでにやってらっしゃるところもあると思いますが、まだの場合ぜひ提供されることをお勧めします。データ使い方の明示や著作権表示等、後々トラブルにならないようなルールを事前に決定してご提供ください。

内容としては、
・商品「基本の商品情報(スペック)/写真各種アングルも」
・素材「素材や作り方の解説」
・仕様「こだわりや工夫と知恵」
・企画趣旨「ターゲットや使い方場面の想定」
「誰に使ってもらいたいのか」「どんな場面で使ってもらいたいか」など

の解説やイメージビジュアル「写真やイラスト」が考えられます。

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以上で本日のセミナーは終了いたします。

皆様のご計画のご成功を心よりお祈りしております。

ぜひインターナショナル・ギフト・ショーをはじめとする大型見本市で皆様にお目にかかれることを楽しみにしています。

富本雅人

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